農機具を売るなら
農協(JA)?
農機具買取業者?

農機具の売却を考える際、できるだけ高い値段での買取・下取りを希望するのは農家の方々にとっては当然の考えかと思います。だからこそ、どこに売るのか決めるのは非常に重要な問題です。

これまで農機具の購入でお付き合いのあった農協(JA)に下取りを依頼するのか、それとも買取専門の買取業者にお願いするのか、どちらが正しい選択なのか悩まれる方が多いのではないでしょうか。

農協(JA)と農機具買取店、それぞれに長所と短所があります。農協(JA)の買取・下取りと農機具買取業者のどちらがおすすめなのか比較して紹介していますので、農機具の売却を検討中の方はこれからの参考にぜひしてください。

1. はじめに

日本の農業は、高齢化や後継者不足などの課題を抱えつつも、農業機械を巡る新しい技術開発やより効率的な栽培方法の拡大などにより進化を続けています。その中で、農機具は農作業の大切なパートナーとして、より効率的で持続可能な農業の実現に貢献しています。農機具は購入してから10年〜15年程度で買い替えが発生し、新しい農機具の購入に伴いこれまで使っていた古い農機具は売却・下取りすることとなります。

このような際、農家の方々が頼りにするのは「農協(JA)」が多いのではないのでしょうか。JAは地域に根付いており、農家と密接な関係にあり、農機具の購入だけでなく様々な面で関わることが多いかと思います。農協は、国内の農業コミュニティをサポートする役割を担っており、地域に根ざした取引や信頼性を重視する農家には魅力的な選択肢となっています。長年の歴史と実績、そして地域社会への深い繋がりが、その大きな特徴といえるでしょう。

そのため、新しい農機具はJAから購入し、古い農機具はその際にJAに下取りに出すのがこれまで一般的でした。ただ最近は農機具の買取を専門に行う、農機具買取業者も増えてきており、そのような業者に買取を依頼してみようと思われる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。農機具買取業者は、農機具の買取に特化しており、高価格での買取が期待できるだけでなく、迅速な取引や柔軟な対応も特徴です。

どちらを選ぶかは、売りたい農機具の種類や状態、さらには売却の際にどのような点を重視するのかによって異なります。本記事では、それぞれの特徴や長所・短所を詳細に紹介ししていきます。

2. 農協(JA)の特徴

農協、正式には「農業協同組合」や「JA(Japan Agricultural Cooperatives)」として知られる組織は、日本の農業界における中心的な役割を果たしてきました。JAは、1900年代初頭から始まる歴史を持ち、農家の生産活動や経営を支援するとともに、農産物の販売や購入、そして貯蓄・貸付などの金融サービスも提供しています。全国に約550の拠点を有しており(2023年時点)、全国各都道府県に拠点があります。

農機具の買取も、その多岐にわたるサービスの一つではありますが、基本的に新車販売を主な事業としており、買取・下取りはその副次的事業といえるでしょう。

長所

信頼性

JAは多くの地域で100年を超える歴史を有しており、その間、農家とともに成長してきました。この長い歴史と、日常の生活に根ざしたサービスが、高い信頼性を築いています。地域密着型のサービスは、農家の細かいニーズにも応えることが可能です。

安心のサポート

JAのスタッフは、地域の農業に深い理解を持っています。そのため、農機具の買取に関する相談や手続きの際も、農家の立場に立ったアドバイスやサポートを受けることができます。また、新しい農機具の購入に関する情報提供も充実しています。

手間がかからない

JAは新品の農機具の販売も行っているため、買い替えの際には、新しい機器の購入と合わせて、古い機器を下取りとしてまとめてサービスしてくれます。新車購入はJA、古い農機具の買取は農機具買取店にお願いすると、することが二つに分かれてしまうため、JAにまとめて下取りに出すと別々の手続きをする手間が省けて、スムーズに取引を進めることができます。

地域経済への貢献

JAのサービスは、単なるビジネス活動を超えて、地域経済や社会の発展を目指しています。農機具の買取を通じて、地域の農業資源の循環を促進することで、持続可能な地域社会の実現に貢献することができます。

短所

買取・下取り価格が安い

中古農機具の取り扱いを専門にしている農機具買取業者と比較すると、JAの買取・下取り価格はやや低めになることが多いです。農機具買取業者では値段が付く農機具であってもJAであれば値段が付かないだけでなく、処分料を取られてしまうこともあります。

車の買取・下取りをする際にディーラーに依頼するのではなく、車専門の買取業者に持って行った方が高く売れるのと同じように、農機具も買取を専門にしている業者の方が値段面では高価買取が期待できます。

取扱い機種・型式の幅狭さ

JAは基本的に新車販売を主にしているため、古い農機具や故障している農機具は引き取ってもらえないケースがあります。そこまで古くないトラクターなどでは問題ないですが、それ以外のものの場合はなかなか難しいかもしれません。

また、標準的な農機具であれば良いですが、あまり市場に出回っていない珍しい農機具の場合は特に引取対象外となるケースが多いようです。


このように農協(JA)の買取サービスは、高い信頼性や安心のサポート、手間の省略、そして地域社会への貢献など、多くのメリットを持っています。

一方で、買取・下取り価格が安いことや、そもそも処分してもらいないケースや逆に処分料がかかってしまうケースも存在しています。昔からの長い付き合いがあり安心感がある一方で、価格面は考慮することが必要です。買取・下取りを依頼する際は自身のニーズや状況に合わせて、最適な選択をすることが求められます。

3. 農機具買取業者の特徴

農機具の買取を専門に行う業者は、近年日本全国で増えてきています。日本の農機具は東南アジアを中心とする海外で根強い人気があり、古い農機具であっても高い価格で取引されることが背景にあります。

これらの業者は、一般的なリサイクルショップやスクラップ業者とは違い農機具の専門的な知識はもちろん、中古の価格相場を十分に把握しており、まさに中古農機具のプロとも呼べる業者です。ここでは、農機具買取業者の長所・短所を詳しく紹介します。

長所

高価格での買取

農機具買取業者は、その名の通り、中古の農機具を専門に取り扱っているため、中古農機具の状態、市場価値などを正確に把握し、高価格な査定を期待できるのが魅力です。農協(JA)では値段がつかなかったような農機具や処分料がかかると言われた農機具であっても、農機具買取業者に依頼すればある程度の値段がつくことがあります。

古い農機具であっても日本メーカーの農機具は海外で人気があるため、予想しないような高い価格で買取をしてもらえたという口コミも多くあります。

スピーディな査定と取引

多くの買取業者はインターネットを通じて査定依頼を受け付けており、査定から買取までも非常にスピーディーで、早い業者では依頼したその日のうちに買取まで完了するというケースもあります。

一部の業者は訪問査定は行わず、ネット完結での査定もしており、手間がかからずとても気軽に査定を依頼することができます。

幅広い機種やメーカーの取扱い

中古の農機具であれば基本的に全ての農機具を買取対象としているため、一般的に出回っている標準的な農機具だけでなく珍しいメーカーの農機具や高額な専門的な農業機械まで幅広い種類の農機具を取り扱っています。買取業者によって得意とするメーカーや型式、年式が異なることもありますが、基本的にどのような農機具であっても高額な査定が期待できると思います。

短所

業者選びの難しさ

先ほど説明したとおり、農機具買取店は近年どんどん増えてきており、どの買取業者に依頼すれば良いのか業者選びが難しい点があります。農機具買取を巡っては悪徳な業者も存在しており、そのような業者に当たった場合はトラブルが発生してしまうケースも存在しています。

日本人が経営する会社だけでなく外国人ブローカーも入ってきており、多種多様な業者が存在するため、信頼できる業者かどうかやこれまでの買取実績や評判をしっかり確認する必要があります。

手間がかかる場合がある

農機具買取業者は中古農機具の販売はしているものの新品の農機具は一般的に取り扱っていません。そのため、新品の農機具はJAから購入し、古い農機具の買取は農機具買取店にお願いする形になるため、JAにまとめてお願いすると一つのやり取りで済んだところが、二つに分かれてしまうため、どうしても手間が増えてしまいます。

農機具買取店に見積もりを取り、そこまで高い値段がつかなかった農機具は、新車購入時にまとめてJAに下取りをお願いするのも手かもしれません。

4. どちらを選ぶべきか?

農機具の売却を検討する際、JAと農機具買取業者、どちらに依頼すれば良いか迷うかと思います。どちらを選ぶべきかは、売りたい農機具の種類や年式、状態はもちろん、どのような点を重視するかによって異なります。

基本的には「これまでの付き合いや安心したサポートを重視する場合」はJAに、「高価格での買取を希望する場合」は農機具買取業者に依頼するのがおすすめです。

これまでの付き合いや安心のサポートを重視する場合

長い間、地域で農業を営んできており、地域とのつながりを大切に考える方には、JAがおすすめです。JAは地域密着型で長い歴史を持つ組織であり、これまでの取引の信頼や安心のサポートが求める場合には適していいます。

長い付き合いをしているJAの担当者がいらっしゃる場合は、買取・下取りにあたり親身に対応してくれます。JAは農家のニーズを深く理解しており、的確なアドバイスやサポートが期待できますので、買取価格をそこまで重視しないのであればJAに依頼するのがおすすめと言えます。

高価格での買取を希望する場合

高価格での買取を希望する場合、農機具買取業者を選択することが適しています。中古農機具に関して専門的な知識と経験を持つ買取業者は、市場価格の動向や需要を常に把握しており、適正な価格を提示することができます。

新しい農機具はもちろん、古い農機具や故障している農機具でも高い価格で買取をしてくれるケースがあるため、とにかく高い値段で売りたいという方は買取業者に依頼するのがおすすめと言えます。


最終的な選択は、買取を希望している農機具の状態はもちろん、重視するサービスの内容によって変わってくるため、一概に「この選択が最良」とは言えませんが、上記のポイントを参考にしながら最適な選択を行うことが大切です。

悩ましい点ではありますが、買取業者は基本的に無料で査定を行なっているため、最初からどっちかに絞るのではなく、JAにお願いするにしても先ずは農機具買取業者に試しに査定を依頼してみてもいいかもしれません。ただ、先ほど記載したとおり、最近、農機具買取業者の数が増えてきており、どの業者にお願いすればいいのか悩まれる方も多いかと思います。

そこで、特におすすめしたい買取業者を3社ピックアップしました。以下にそれぞれの業者の特徴やサービス内容を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. クロバト農機買取

クロバト農機買取

クロバトは、全国対応の農機具買取専門業者として知名度が高く、多くの農家から信頼されています。一貫して専門的なスタッフが査定から対応してくれるため、農機具の特性や価値をしっかりと理解した上での取引が期待できます。

また、ネット完結・非訪問型で最短即日で無料で査定も行なっているため、先ずはお試しにという気持ちで査定を依頼される方には特におすすめです。

クロバト農機買取で査定を申し込む(https://kurobatonouki.com/)

2. UMM|農機具一括査定サービス

UMM|農機具一括査定サービス

UMMは、一括査定を行うサービスとして利用者からの評価が高いです。複数の買取業者に一度に査定依頼ができるので、最も高い価格を提示してくれる業者を選ぶことが可能です。

UMMを使用するメリットはその手軽さ。一つのフォームから複数の業者への査定依頼ができ、時間や手間をかけずに最適な業者を見つけることができます。

UMM|農機具一括査定サービスで査定を申し込む(https://ummkt.com/bulk/sell.php)

3. 農機具高く売れるドットコム

農機具高く売れるドットコム

農機具高く売れるドットコムはその名のとおり、農機具を高く売却することを目指しており、独自のネットワークや取引先を持つことで高価買取を実現しています。実績や評価も高く、安心して取引できる環境が整っています。

輸出事業も行なっているため、特に、古い農機具の高価買取が期待できるため、古い農機具の売却を検討している方には、この業者がおすすめです。

農機具高く売れるドットコムで査定を申し込む(https://www.noukigu-takakuureru.com/)

5. まとめ

農機具の売却を考慮する際、JAと農機具買取業者の選択はまず最初の重要なステップとなります。

JAはその地域に深く根付いた信頼性を持ち、農家のニーズに応じた安心のサポートや手間のかからない下取りサービスを提供します。その一方で、買取・下取り価格は比較的安めであり、取扱い機種に制限があることもあります。

対照的に、農機具買取業者は高価格での買取が期待できるとともに、中古農機具に関する豊富な知識と経験を持つ点が魅力です。しかし、業者が数多く存在しており、信頼できる業者選びが難しい側面があります。そのため、売却を検討する前には業者の評判をしっかり調べることが大切です。また、一つの業者だけに依頼するのではなく、複数の業者からの査定を受け取り、比較することで最適な選択を行うことが推奨されます。買取の流れや契約内容を確認し、不明点があれば事前に質問することで、安心して取引を進めることができます。

本記事で紹介した内容を踏まえて、満足で納得のいく農機具の売却ができるよう願っています。